インタビュー
マンションリフォームマネジャー・インタビュー02
久永彩 写真
マンションリフォームマネジャー資格で得た知識がお客様対応の自信に
久永彩
株式会社長谷工リフォーム 東京支社営業部門 インテリア業務課
マンションリフォームマネジャー(平成30年度合格)、インテリアコーディネーター
写真私が長谷工リフォームに入社した時に、奨励資格として紹介されたのが「マンションリフォームマネジャー」です。前職で家具などを生かしたインテリアコーディネートに携わっていたことから、すでにインテリアコーディネーターの資格は持っていました。入社時配属されたインテリア営業部では、お客様のリフォームのご相談から引き渡しまでワンストップで担当します。マンションの専有部分のリフォームとはいえ、共用部が複雑に絡むことも多く、この資格はいつか取らなくてはと思っていました。

出産を機にインテリア部門の事務職に異動し、育児も少し手の離れたところで時間に余裕ができたため、早速、マンションリフォームマネジャーの受験に取り組むことにしました。勉強したのは、試験前の約1か月半です。まず、5年分の過去問題を解いて出題の傾向をつかむとともに、自分の苦手なポイントを見つけてその箇所を集中的に勉強しました。学科の勉強は会社への通勤時間を利用していましたね。

一方、設計製図は週末に自宅で集中して練習しました。子供を夫に預けて、あらかじめ3時間と決めて取り組みました。当初は時間が掛かりがちだったので、スピードアップがいちばんの課題。試験日が近づいたころには本番を意識して、設計製図試験の流れを通してやっていました。徐々に時間配分がうまくなり、本番には規定の時間内におさめることができたんです。

そのほか、社内で行われた学科と設計製図の対策講座も有効だったと思います。試験で押さえるべきポイントを示してくれたり、自由な雰囲気の中で疑問点などを質問できましたから。先程述べたように時間配分が大切であることや、減点の対象となるような、法的にやってはいけないポイントなどを知ったこともこの講座でした。アドバイスが具体的でいいですね。

現在はインテリア業務課で主に事務を担当しているので、試験を通じて学んだことがすべてすぐに活きるわけではありません。お客様からのリフォームに関するお問い合わせを受けるとき、資格で得た知識が後押しになり、ご要望に沿えるかの判断を冷静に考えて受け答えできます。

以前の部署でリフォームの現場に頻繁に出入りしていたときこそ、この試験を受けるべきだったのかもしれません。資格を持っていれば、一層自信をもってリフォームの提案ができたように思います。この受験での勉強を機に、リフォームに関する知識が整理されたほか、法律関連の再確認もできましたし、実は、勉強中に初めて知ったこともありました。リフォームのニーズが高まっている今、この資格取得に伴って得た知識は、ますます有益になっているのではないでしょうか。
マンションリフォームマネジャー・インタビュー02
斎藤雅章 写真
勉強を通じ、法に則したマンションリフォームに必要な知識を習得
斎藤雅章
斉藤雅章 MS・ICKS事務所
マンションリフォームマネジャー(平成30年度合格)
二級建築士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリスト、ファイナンシャルプランナー2級、福祉住環境コーディネーター2級、色彩検定2級ほか
写真前職では約100棟もの社宅の管理を担当していました。現在は、その時の経験を土台に、マンション管理やマンションに特化したリフォームを総合的に行う会社を立ち上げる予定です。想定している事業では、原状回復にとどまらず、インテリアコーディネーターとしてのデザイン力を生かすなど幅広いリフォームが可能な体制をつくりたい。私自身はそれらを采配する、プレイングマネージャーのような役割を果たしたいと思っています。

前職のときにすでに二級建築士と宅地建物取引士(以下、宅建)の資格は取得していました。独立後はリフォームに関わることを見据え、インテリアコーディネーターやキッチンスペシャリスト、福祉住環境コーディネーターなどのさまざまな資格に順次挑戦していきました。しかし、お客様の信頼を得つつ、幅広いリフォームに対応するためには、やはりマンションリフォームマネジャーの資格が必要だと思い、受験を決意。二級建築士や宅建の資格取得、前職での実務を通じてすでに関連の知識は得ていたので、長い時間はかけず、昨年の受験日のほぼ1か月前から集中的に勉強しました。

独力での勉強と並行して、インテリアスクール「町田ひろ子アカデミー」で、学科・設計製図を学びました。スクールの学科のテキストは、科目ごとに、箇条書きの説明文に〇×式で回答する形式になっていたので、自分の弱点を素早くつかみ学ぶことができました。「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」ホームページからダウンロードする過去問題には解説がないため、正誤の理由が分かりづらい部分はそこでフォローした格好です。
設計製図の授業は傾向と対策が行われるとともに、描くべきポイントなどをより実践的に教えてもらえるので役立ちました。私の場合、限られたスペースに盛りだくさんな要素を配置していくことに難しさを感じていましたが、授業を通じてその問題を解決。また、設計製図はやはり、講師の方など第三者に添削してもらうと早く腕が上がりますね。

マンションリフォーム業界の方々にとっては、この試験を機に学科や設計製図などを勉強すること自体も重要でしょう。なにしろ、マンション管理適正化法やマンション標準管理規約に則った設問を解き、その知識をもとに要件を図面に落とし込むという経験ができるわけですから。きっと試験後は、よりスキルアップしたマンションリフォームが手掛けられるようになっているのではないでしょうか。
マンションリフォームマネジャー・インタビュー03
辻千春 写真
インテリアコーディネーター資格との両輪で快適な住まいを提案
辻千春
ツジ チハル HARU Interior Directions,Inc.
マンションリフォームマネジャー(平成30年度合格)、インテリアコーディネーター

写真
「スケルトンリフォームにより、和モダンな空間を実現した実例」
『住まいのインテリアコーディネーションコンテスト』リフォーム部門賞受賞作品

住宅メーカーに勤務後、3年前に独立してインテリアデザインの会社「HARU Interior Directions,Inc.」を立ち上げました。マンションリフォームマネジャーの資格は、インテリアスクール「インテリアプロスクールhips」(ハウジングエージェンシー)で知りました。ここで私は新人インテリアコーディネーター向けの講師を務めています。当社へのリフォームのお問い合わせが増えた時期であるとともに、マンションのスケルトンリフォームに「楽しさ」を感じるようになっていたこともあり、資格取得に非常に魅力を感じました。

また、前職では20年前に取得したインテリアコーディネーターの資格を活かし、数多くの新築や内装のプランニングに関わってきました。この資格取得を通じて、建築基準法や施工・設備などの知識を身につけることが、自らの活躍の場を広げることにつながるのではないかと考えました。そこで昨年、受験に踏み切ったのです。

受験の約半年前から、まずテキストを使って勉強を開始。学科は過去問題5年分を3回繰り返し、設計製図のみ講習を活用しました。講習では採点のポイントや、ミスしがちなポイントを明示してくれるので、効率的に学んでいけますね。製図は実務ではすでにCADが中心だったため、製図の練習は自宅で制限時間を2時間、あるいは3時間と定めてひたすら手を動かしました。当時すでに私は、仕事でもリフォームを手がけていて、学んだことをすぐに実際の現場で確認することができました。知識などがすんなりと身についていった気がします。

前職では新築中心とはいえ、約1,200件ものプランニングを手掛けていましたから、そこから得た知識が土台になっていたことは言うまでもありません。当時から施工に関する不明点などは、現場で直接職人の方々に教えていただきましたので、現場での学びを、机上で整理する良い機会でした。

私は現在も、立ち上げた会社でインテリアコーディネートの仕事に従事しています。マンションリフォームマネジャーの試験を経て得た知識が加わり、以前にも増して自信をもってお客様にご提案できるようになりました。
マンションリフォームは、インテリアコーディネーターに向いている仕事だと思います。なぜなら、マンションリフォームにおいては、構造躯体には、一切手をつけてはいけない決まりがあるからです。ひいては女性に向く職業だと思います。内装や収納計画はもちろん、照明や置き家具、カーテンなどをトータルで提案することができます。さらには家事動線も、主婦の経験を活かし、うまく組み込むことができます。マンションリフォームマネジャー資格とコーディネーター資格の両輪が一般的になれば、お客様の要望をトータルでかなえられる人が増え、日本の住環境は一層快適になるのではないでしょうか。 私は同資格取得後の間もなく、「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト(インテリア産業協会主催)」で、リフォーム部門賞を受賞することができました。これも、双方の資格に裏打ちされ、実現したものと感謝しております。今後も、お客様のライフスタイルを実現するリフォームを心がけていきたいと思います。
マンションリフォームマネジャー・インタビュー04
石川理大 写真
名刺に刷られた「マンションリフォームマネジャー」の一行が信頼と自信に
石川理大
三井不動産リフォーム株式会社 千葉支店 技術サポートセンター コンストラクションエンジニア
マンションリフォームマネジャー(平成24年度合格)
写真 私は2012年に三井不動産リフォームに入社して、主にマンションのリフォーム工事の管理を担当しています。若いということで初めてお会いするお客様の中には「大丈夫かな?」と不安を感じる方もいらっしゃると思うのですが、リフォームの知識はもちろんのこと、名刺に書かれた「マンションリフォームマネジャー」の文字がお客様に安心感を与え、仕事を円滑に進めるのに大いに役に立っています。

私がマンションリフォームマネジャーの資格を取得したのは、会社から内定をもらった際に、入社までにこの資格を取っておいた方がよいと薦められたことがきっかけでした。

試験のちょうど1カ月前に「マンションリフォーム推進協議会」が主催する学生向けの直前講座があったので参加しました。大学では建築を学んでいましたが、リフォームに関する授業がなかったので、講座ではリフォームとはこういうものだという基本的な知識を得ることができました。また参加者のほとんどは建築の勉強をしていた学生なので製図の基礎はある程度できていたのですが、そこで教えていただいた製図問題のコツといったものが実際の試験に大変役立ちました。

仕事では工事担当として管理組合と管理規約について話す機会があります。その際に「ドアの室内側の塗装はOKだが、廊下側は共用部だから駄目」とか、「サッシは共用部だから勝手に替えてはいけない」など受験の時は丸暗記していた規約の知識が、あれはこういうことを言っていたのだなとリンクしてくることが多いです。製図をする際もやはりリフォームの製図は建築士の勉強だけではカバーしきれない部分もあるので、私にとってマンションリフォームマネジャーの資格の勉強はマンションリフォームの制約、あるいは逆にリフォームの自由度をつかむための武器として実務の中で役立っていると思います。

私は大学でリフォームについて学ぶ機会はほとんどなかったのですが、今は大学でリフォームについて学ぶ機会も少しずつ増えているようです。仕事を始めてしまうとCADで書くことが多くなったり、仕事によっては図面を描く機会がなくなってしまうこともあると思うので、建築を学んでいるなら学生時代にマンションリフォームマネジャーの資格を取得しておくのもよいかと思います。

また、この資格には建築士のような受験資格がないので、文系の学生でも取得できるというのは大きなポイントではないでしょうか。なによりも学生には社会人にはない「時間」という強みがあります。リフォームに限らず建築、不動産、インテリア関係の仕事を目指すなら、学生の間にマンションリフォームマネジャーの資格も取得することで、卒業後、即戦力として会社に貢献できるだけでなく、活躍の場も広がるのではないかと、今になって実感しています。
マンションリフォームマネジャー・インタビュー05
奥岬秀一 写真
受験で得た知識を中古マンションのリノベーションに活かして
奥岬秀一
株式会社リノステージ 統括部長
マンションリフォームマネジャー(平成23年度合格)、インテリアコーディネーター
写真 私は内装の職人や電気工事の仕事を経て、マンションリフォームの世界に入りました。今の職場であるリノステージは、グループ企業の不動産会社「エフステージ」が仕入れた中古マンションのリノベーションを行っています。

私がエフステージに入社した当時はまだ人数も少なく、仕事に役立つ資格を持っている人がいませんでしたので、まずはインテリアコーディネーターの資格を取得しました。
主力であった中古マンションの売買からリフォームへと事業領域を拡大する中、現場で培ってきた知識だけではなかなか対応できず、何か問題が発生してから慌てて調べるということもありました。
私自身もこのままではいけないと感じ、インターネットで何か勉強をする方法はないかと調べている時にマンションリフォームマネジャーという資格があることを知りました。この資格を取得すれば知識も深まるし、名刺に「マンションリフォームマネジャー」という肩書が入れば、管理組合などと話をする時の自信にもつながると思って勉強を始めたのが資格取得のきっかけです。

会社の同僚にHIPS(ハウジングエージェンシー)という資格スクールでインテリアコーディネーターの勉強をしていた人がいたので、その同僚の紹介でHIPSのマンションリフォームマネジャーの講習を受講することになりました。学科試験への対応については、ひたすら勉強して暗記すればなんとかなるかなと思っていましたし、勉強して覚えた一つひとつのことがすぐに実務に生かされるのでさほど苦になりませんでした。一方で製図については実務でパソコンを使うことが多く、手書きの図面をほとんど描いたことがなかったのでかなり不安でした。しかしHIPSの講座を受講したことと過去問題を何度も勉強したことで、無事に合格することができました。

資格の勉強をする前は、実務においてもマンションの専有部、共用部の区別が難しく、管理組合との話し合いの際に言われるがままになってしまうこともありましたが、資格取得の勉強を始めて知識を習得してからは、自信を持って対応できるようになりました。またプランニングや設計の際にはお客様の要望に対してよりよい提案が可能になったことも実感しています。

今は現場を離れて統括部長として企画から施工、そして事務的なところまでトータルでマネジメントをしています。現場出身なので現場に行けないのは寂しいですが、これからは今まで蓄積してきた技術や知識を後輩たちに継承し、マンションリフォームマネジャーの資格取得のサポートも含めて、お客様のニーズに適切に応えられるマンションリフォームのプロを育てていければと考えています。